新型コロナウイルス感染症が日本に上陸したのが2020年1月頃だったかと思う。その頃から幾度も蔓延防止措置や緊急事態宣言があったが、私はコロナにならずに過ごしてきた。しかし、ついにこの時がきた。コロナになってしまったのである。この記事は、コロナで体験したことの日記である。
なお、死ぬほど長い上にどうでもいい良すぎることがたくさん書いてある。
【発症0日目】3月5日(土)
この日は朝から忙しかった。
午前10時頃家を出発→ニトリで買い物→ヤマダ電機で買い物→美容室で散髪→ボロアパートで4時間ほど片付け作業→帰宅
※私はもともと異常なボロアパート(風呂無し)に住んでいたが、現在一時的に実家に戻っている。そして新たにアパートを契約しなおしてそこに引っ越すことになったので、ボロアパートの片づけが必要なのである。
という流れだった。異変を感じたのは片付け作業の時である。異常に暑いのである。ただ、この日は3月にしてはあったかい日だったし、最近自分の自律神経もイカれてる気がしているのでそこまで気にしなかった。
普通に家に帰り、お風呂に入って寝た。いや、正確には寝ようとしたが暑くて寝つけなかった。熱を測ってみると、37.2度あった。まぁこのくらいの熱なら疲労が溜まれば出るかなと思った。
布団に入って眠気が来るのを待っていたが、一向に眠くならない。しかもめちゃくちゃトイレが近い。ネットで調べると、コロナに限った話ではなく、ウイルスが体で増えると排出するために頻尿になるそうだ。
暑いのならば寝間着を薄着にすれば寝られるかと思ったが、寝られない。それでも頑張って布団に入り続け、なんとか寝れたのが早朝3時頃である。
【発症1日目】3月6日(日)
起きたそばから倦怠感が続いていた。そもそも、早朝3時まで寝られなかったのだから当然である。喉も少し痛かったが、体調不良で喉が痛いのか、花粉症のせいで喉が痛いのかわからない。熱を測ってみると37.0度であった。念のため、その日の外出の予定をキャンセルした。パブロンを飲んで寝たら、熱は36.6度に下がったが、夜に37.0度に戻った。
【発症2日目】3月7日(月)
一応仕事に行くつもりの時間に起床。熱を測ると36.8度である。倦怠感があるので、本日は仕事を休むことにした。始業時間前くらいに上司に電話すると、「コロナの検査をして、結果が出るまでは出勤しないで」とのことだった。
仕方がないので近所の病院で検査をしてくれるところを探すと、2つ見つかった。家から近い方に営業開始と同時に電話してみたが、全く繋がらなかった。きっとみんな同じことしてんだろうな。
少し家から遠い方にかけてみると一発で繋がった。ラッキーだ。その病院では12時に他の患者さんが終わったところにコロナの疑いがある患者さんを入れて診察するらしい。
12時に行ってみると、けっこうよぼよぼ目のおじいちゃん先生が診察してくれた。訛りがキツく、白衣も着てなかった。インフルエンザの診察をするみたいに鼻に棒を突っ込まれて、鼻水を検査キットみたいなものにぶち込むと「陽性だね〜。驚いた。元気そうなのにね〜。」と言われた。
鼻に棒を突っ込まれてから陽性とわかるまで体感4〜5分。こんなにすぐわかるのかと驚いた。
抗原抗体定性検査というらしい。これで陽性ならPCR検査はやる必要がないと言われた。要はPCR検査のほうが感度が鋭いという話らしい。
その後病院から指定された薬局に薬をもらいにいった。薬局で処方箋を渡した瞬間「申し訳ないが外で待っててください」と言われた。仕方がない。
問診票を書きながら外で待っていると薬を渡された。薬はタダだった。そういえばコロナ療養でかかるお金は国が持つのである。大変に税金がかかるなあ。
職場に電話する。出勤は来週の木曜日からということになるらしい。長い、けどしかたない。
帰宅。今の私は実家に住んでいるので、両親と祖父母と一緒である。両親はともかく祖父母にうつしたら死にかねないので、家庭内でルールを決めて、私と祖父母が交わらないようにする。私は部屋にこもり、食事は親が用意してくれることになった。ご飯の時間になると母が部屋の前にご飯を置き「ご飯おいたよ」と声をかけてくれる。嬉しいが…まるで引きこもりである。
驚いたのは、厚労省及び保健所の対応の早さである。
まず、私が病院での診察を受け終わったのが12時半ごろであるが、12時45分に厚労省から「陽性なのでCOCOAに入力してください」というSMSが来た。
どういう仕組みなんだろうか。調べたところ、病院はコロナ患者の診察をした後、HER-SYSという国が作ったシステムへの入力作業をするらしい。おそらく、その入力がされたと同時にSMSが飛ぶ仕組みになっているんだろう。だとしても、あの病院の入力作業は早すぎる気がする。すごい。
次に、保健所からのSMSが16時43分に来た。これもすごい。まさか診断を受けたその日にSMSが来るとは思わなかった。
保健所は恐らくSMSを送信する対象者を日次で拾ってるんだろうけど、病院が入力したタイミング的に、うまくその日の処理分に乗れたということだろうか。
【発症3日目】3月8日(火)
7:00 起床。熱を測ると36.2度である。高熱がでる心配はなさそうである。両親も一週間程度仕事を休むことになった。両親の職場には迷惑をかけて申し訳ないが、私の療養がイージーモードになったことが確定した。自分の部屋で読書等をして過ごし、ご飯の時間になったら母が食事を持ってきてくれるだけの生活である。完全に引きこもりと同じである。
さて、本日の11時23分に保健所から再度SMSが来て、「マイハーシス」というものに入力するよう依頼された。感染者はここに健康状態を入力することで、保健所に報告したことになる。また、私の療養期間は3/16までらしい。つまり、症状がなければ3/17から出勤できる。
しかし…保健所の対応は相変わらず早い。診断があったのが昨日で、SMSが当日中に来たり翌日に来たりって、そりゃ理想はそうだけど、クソ忙しい中で理想どおりの業務フローを回せてるってだけでも相当すごい。てか、ただ忙しいだけじゃなくてめちゃくちゃ忙しい時期が何か月も続いているっていうのにレベルが高い対応ができるのはすごいよなぁ。感服である。
【発症4日目】3月9日(水)
7:00 起床。36.3度。少しのだるさと咳が残っている。
相変わらず部屋で過ごすだけなので、本当に暇である。
やることと言えば食事・排泄・マイハーシスへの入力・インターネット・読書・睡眠くらいのものである。
今日はパルスオキシメーターが到着した。午前中に到着したから、昨日の午後には発送したということだろうか。保健所の仕事は本当に早い。
あまりのやることのなさに、昔買った本を読み返すことにした。海堂尊先生の「ジェネラル・ルージュの凱旋」である。海堂先生にはまっていた時期があるから、家には先生の本がたくさんある。ただ、一番好きな作家は星新一先生である。次は森見登美彦先生かな(どうでもよすぎる)。
【発症5日目】3月10日(木)
7:00 起床。今日も長い一日が始まる。体も回復してきたのか体力があり、昼寝をする気にならないもんだから、ますます一日が長い。
今日は嬉しい発見があった。モバイルルーターの契約を読み返してみたところ、私が悪いほうに勘違いをしていたことがわかったのである。私はGMOとくとくbbと契約しているが、ここには「3日で10GB使うと制限がかかる」というルールがある。これは、「3日間で10GB使った場合、10GBに達した翌日の18時~26時の間通信が遅くなる」というものである。しかし、私は「3日間で10GB使った場合、その瞬間から当日の24時まで通信が遅くなる」ものだと勘違いしていた。全然違う。違いすぎる。
つまり、GMOのルールではいくら使っても2時~18時は使い放題ということになる。どうせ一日中家にいるんだし、ネットは午後6時までということにして思いっきり楽しもうと思う。昨日まで遠慮してて損した。
また、我が家には昔買ってやらなくなったニンテンドーSwitchがあったことを思い出す。何かゲームを買ってみようかな。
【発症6、7日目】3月11日(金)及び3月12日(土)
11日は7:12起床。熱は36.4度。酸素飽和度98%。
12日は7:25起床。熱は36.4度。酸素飽和度98%。
2日纏めて書いているのは理由がある。
それは、この2日間やっていたことが全く一緒だからである。
それはマリオストーリーである。
時間ができたら久しぶりにやろうと思っていたので手を付けたら、完全にハマってしまった。
「Nintendo Switch Online + 追加パック」というサービスに加入すると、ファミコン・スーファミ・ロクヨン・メガドライブの懐かしいゲームがやり放題になるのだが、その中にマリオストーリーがある。このゲームは本当に面白い。
私はマリオストーリーのためだけに「Nintendo Switch Online + 追加パック」に加入した。余談だが、我が家にはまだ友達から借りパクしたままのマリオストーリーのソフトがある。そのためマリオストーリーをやるだけなら埃を被ったロクヨンを引っ張り出してもよかったのだが、スイッチでプレイしたかった。
この2日間どれくらいはまっていたかというと、ステージ1~ステージ5までクリアしてしまった。時間にして12時間程度である。一応、大人として休憩をはさみながらやったが、もっとやりたいという欲望を抑えきれず、12時間もやってしまった。
この自宅療養期間中に全クリしてしまおうと思う。
【発症8日目】3月13日(日)
7:30起床。熱は36.4度。酸素飽和度98%。
昨日、一昨日とさすがにゲーム(マリオストーリー)をやりすぎたので、今日は読書の時間を増やした(もちろんゲームもやったが)。
読んだ本は村上春樹「羊をめぐる冒険」である。少し前に読み始めていたのだが止まってしまっていたので、読むいい機会だと思った。面白かった。
なんというか文学的で、詩的で、とらえどころがない感じだった。
最近仕事ばっかりで「事実の確認」とか「事実を人にわかりやすく伝える」ということばっかりしていたので、曖昧であやふやで明確な実体がないものに触れるのがすごく新鮮だった。やっぱり世の中ふわふわしていることのほうが多いんだし、俺みたいな仕事してるとダメ人間になるね。
マリオストーリーはステージ7をクリアした。
あとはクッパを倒すのみだ。
【発症9日目】3月14日(月)
7:15起床。熱は36.5度。酸素飽和度97%。
朝ごはんを食べてすぐにクッパを倒す作業に取り掛かった。クッパ城を攻略して、2時間ほどでクッパを倒せた。自分が子供の頃はステージ6あたりで投げてしまっていたので、クリアできたのはちょっと感動した。
これからキャシーさんの料理を集めたり、星のかけらを集めたりするやり込みは残っているが、やるかどうかは決めていない。自分がやりたかったのはストーリーのクリアであってやりこみではなかった気がするし。
療養期間も残り少なくなってきたし、何がしたいかを考えよう。
【発症10日目】3月15日(火)
6:25起床。熱は36.8度。酸素飽和度98%。
今朝はマイハーシスへの入力を忘れていたので、9:35に入力を促すSMSが県庁から来てた。でも、そもそも保健所からの「今日の入力お願いしま~す」っていうSMSが来るのが毎日9:50くらいなのに、これはおかしくないか?まぁ小さいことだからいいか。
今日は島本理生先生の「クローバー」を読んだ。理由は部屋の本棚にあったから。全く読んだ覚えがなかったけど、これは私が買ったのか?買ったとしたらいつだろう。私は基本的にBOOK OFFでしか小説を買わない男だから、高校生の頃の課題図書か何かだろうか。内容は面白かった。やっぱり恋愛小説っていいよね。
また、マリオストーリーできらめくパンジーさん狩りをしてマリオのレベルをMAXにした。懐かしい~。
15時頃、Kindleunlimitedを見ていたら「ペナントレース やまだたいちの奇蹟」が全巻見られることが分かった。昔父に連れて行ってもらったラーメン屋で断片的に読んで、すごく気に入っていたので嬉しかった。すぐに全巻読破してしまった。面白すぎる。
【発症11日目】3月16日(水)
6:20起床。熱は36.4度。酸素飽和度99%。
長かった療養生活も今日で終了である。
今日は主に読書をして過ごした。星新一の「ようこそ地球さん」である。ずっと欲しかのになかなかBOOK OFFで出会えなかったが、最近実家の近くのBOOK OFFで見つけたのである。いい年なんだから新品で買えという話であるが。
また、明日から出勤ということもあり少し勉強もした。ExcelVBAで画像認識(テンプレートマッチング)をしたいと前から思っていたのである。これができるようになれば、私の作っている手作りRPAも次のレベルに行けると思う。
ネットで検索してみると既にやっている人が何人かいたが、外部ライブラリ(DLL)を使うパターンしか見つけられなかった。ウチの職場ではそういうのは無理である。なんとかExcel純正でできる方法を作って、また記事にもしたいと思う。
以上で私の療養生活は終了である。明日からはいよいよ仕事に復帰。普通に嫌である。この療養期間は、実家で過ごしたこともあり、高3の卒業式の後の春休みや、大学4年生の就職直前の春休みのようだった。つまり、すごくいい日々だったと思う。明日からは、また社会人1年目のように真っすぐに頑張って働こう。たぶん。